ドバイで買ってきたお土産自慢になりつつありますが(笑)、もうしばらくご辛抱ください。
さて、右の写真は先日公開したブログ「ドバイぐるぐる…ぐるぐる…vol.1」でご紹介したドバイ逸品スイーツに対抗し、食べられない逸品お土産を写したものですが、見ただけで何だか分りますか?
右上は、18Kのピアスです。
しかし、ただのピアスではありません。
私の名前をアラビア語のカリグラフィー化したオーダーメイドのピアス。
右下は…分る方いらっしゃいますか?
こちらは、乳香(英:frankincense)です。
と言われてもピンと来ない方が多いと思いますが、乳香の木から採れる樹液を固めたもので、アラビア半島の特産品として古くから珍重されてきたお香です。
このふたつについて、今回は一席設ます。
「ドバイと言えばゴールド!」
なんておっしゃる方もいるほど、ゴールド・スーク(=金の市場)は観光名所としても有名です。
当初、こんな観光地化されたところで金製品など買う予定はありませんでした。
しかし情報収集をしていると名前をアラビア語のカリグラフィーにしてくれるお店があると知り、まんまとツボに入ってしまいました…(苦笑)。
こちらはもちろん、オーダージュエリー。
店頭にあるものを買うわけではないので、当然、制作には時間がかかります。
通常だと1週間、MAX早くて3日くらいかかるというので、ドバイ到着日すぐに向かいました。
まぁ仕方ないですよね、ここは買わずに我慢するところではありません。
出し惜しみしてはいけません。
なんせドバイまで来ているんですから。
ということで…
作りましたぁぁぁぁ! (ガッツポーズ!)
出発前に情報収集をしていると、ペンダントヘッドを作った人の体験記が多く出てきました。
しかし私はペンダントはほっとんどせず、むしろピアスは欠かさず付けています。
ならば、どーせだったらピアスが作りたい!
でも果たしてピアスは作ってくれるのだろうか?
しかも、ピアスは左右2つでセットなのだから、ペンダントヘッドよりも高いのだろうか?
などなど、止め処なく考えながら向かいました。
実際にお店に行ってみるとピアスも商品見本があったので、ホッと一安心。
ちょっと値切ったものの、お客さんのほとんどが日本人らしく(店の人によると100%日本人)、しかも羽振りのいい旅行客や現地駐在者が客層でしょうから、向こうも強気。
ほっとんど値切れませんでした…(涙)
結局、ペンダントヘッドひとつと同じ程度の値段で最終決着しました。
「出し惜しみは禁物、出し惜しみは禁物、出し惜しみは…」
と心の中で念仏のように唱えて、涙をのんで注文。
出来上がったのがコチラ ↓ です。
いやー。
アクセサリーの写真を撮るのって難しいですね(汗)。
ホワイトゴールドとイエローゴールドのコンビネーションにしてもらったんですが...分りますか?
実物では黄金にキラリとホワイトゴールドが映えるんですけど(チョイスした自分を褒めてます・笑)、私の写真の腕前ではお伝えするのは無理でした。
(辛うじて、コンビネーションになっていることが確認できればヨシとします)
とにもかくにも、生まれて初めてのオーダーメイドジュエリー!
噂ではドバイでもこのお店でしかカリグラフィータイプのアラビックジュエリーは作れないみたいなので、機会があればぜひ皆さんもトライしてみてください。
ドバイのゴールド・スークから少し歩くとゴールド・スーク・バスステーションという大きなロータリーがあり、その近くにあるGOLD LANDという複合ビルの1Fに入っているGOLD ARTというお店で作れます。
※GoogleMapであらかじめ調べておけば迷いませんヨ
さて。
今回の(視察旅行という名目の)旅のルートはといいますと、ドバイでピアスをオーダーしたその足で南下しました。
(ジュエリーのピックアップは帰国日の前日を指定)
ドバイを出発して1,300km。
U.A.Eを出国してオマーンに入国、そして目指すはオマーン南部の町サラーラ。
(「ドバイぐるぐる…」とか言いながら、ドバイ、飛び出しちゃいましたぁ!)
そして、
ただそれだけの思いでアラビア半島の先端の方まで行ってきました。
ここまでくればイエメンは目と鼻の先。
イエメンといえば、海のシルクロード時代に乳香の交易で栄えた"シバの女王国"です。
旅人的な希望としては、そのままイエメンまで南下して首都サヌアからフライトでドバイに戻り帰国…
というのがスマートな一筆書きの旅なのですが、イエメンは只今、ちょっと治安がよろしくない。
特に女性1人となるとそれなりに危険が伴う可能性が高くなる、ということで、今回はオマーン南部のサラーラ止まり。
そこからUターンしてふたたび1,300km、ドバイへと戻りました。
私は高校時代に海のシルクロードに興味を持ち、乳香交易で栄えたアラビア半島の先端に憧れるようになり…いつか自分の目で乳香の木をみて現地で最高級の乳香を買って来るのが夢でした。
そして今回、往年の夢をかなえるためにドバイから往復3,000km弱。
バスに揺られて大移動しました。
理解不能の行動と思う方が大部分だと思いますが、旅なんて、所詮そんなものですよね?
ザックリ言うと、ただの自己満足です(笑)。
そしてこちらが、乳香の木。
乳香交易で栄えたアル・バリード遺跡に併設された乳香博物館の中庭に植えられているものです。
乳香は、現在でもアラビア半島の人々には欠くことのできないお香であり、キリスト教のミサ等の宗教儀式では今も焚かれています。
新約聖書にはキリスト誕生の時に東方の三博士が献上した3つの品の1つとして記され(残る2品は没薬と黄金)、紀元前4000年にはエジプトでお香としてすでに使用されていました(当時の墳墓から埋葬品として発見)。
またお香としての用途以外にも古来から薬としても利用され、チューインガムのように噛めば精神を安定させる作用があり、水に抽出して飲むことによって胃の機能回復にも効果があると言われています。
さらに最近ではアンチエイジングの効果があると、乳香入りの基礎化粧品なども日本で販売されています。
そして今回探し求めたのが、コチラの最高級の逸品。
写真なので少しわかりにくいかもしれませんが、うすく緑がかっているのが確認できますか?
左側はごく一般的に販売されている乳香で、右側が最高級のグリーンの乳香。
香りはというと、グリーンのほうがフローラルさが強い気がします。
お店の人によると、ほんの小さいカケラを水の中に入れるだけで淡い緑色の綺麗な抽出液ができ、それを飲むとお腹のトラブルに良く効くとか。
内服には少し勇気がいりますが(笑)手作り化粧水にはヒトカケ入れてみようと思っています。
ちなみに。
こちらの淡いグリーンの乳香。
高級品と言うこともあってご多分にもれず高価でした(トホホ)。
一般的な中レベルの商品が比較的安価だったせいかもしれませんが倍以上!
しかし、オマーンでしか買えないクオリティですから。
出し惜しみは絶対に絶対に厳禁!!
値切るだけ値切って購入してきました。
(後日ドバイでも店の人が奥から大切そうに緑の乳香を出してきましたが、価格はさらに倍でした)
お香、というと、日本でよく見かけるスティックタイプやコーン型(おもにインド系エスニック雑貨屋さんで取り扱われているもの)をイメージされる方が多いと思います。
このタイプですと、お香に直接火を付けて香炉に置いて香りを楽しめるのですが、アラビア半島で手に入る乳香や香木系のお香は違います。
よく熱した炭を香炉に置き、その上に乳香(または香木)を置く、というシステムです。
ですので、香炉も買いました!
それがコチラ。
テラコッタ(素焼)のすり鉢のような形をしたシンプルなものをチョイスしました。
ラッピングが思いのほか可愛くて、開けられずにいます(=まだ家ではお香を焚いていません・笑)。
ショッピングバッグに購入場所の店舗の名前がプリントされてますが、この【OMANI HERITAGE GALLERY】というのは、オマーン国営のギフトショップ。
【MADE IN OMAN】のものが欲しい場合は、こちらで商品を購入することがお勧めです。
(最近は多くの土産物屋で中国製や韓国製の商品を売っているそうです)
もちろん…他で買うよりお値段は張ります。
でも品質は間違いありません!!というのが、ウリ。
デザインもオマーンの伝統的なものが並び、素朴さの中に何かキラリと光るものを感じます。
さてさて気になるお値段ですが、こちらの商品、乳香+テラコッタの香炉セットで【2オマーンリヤル】。
と聞くと安く感じると思いますが、1オマーンリヤルが300円もするので(!)こちらの商品は600円ということになります。
ちなみに、一部を除き、中近東では商品に値札がないのが通例です。
売り手の言い値、買い手の言い値を提示しあい、最終合意がとれるまで駆け引きが必要ですし時間も労力もかかります。
相手が明らかにガイジンであれば先方もこちらの足元を見て、なかなか思うような価格になりません。
それを考えると定価(FIX PRICE)で多少高く販売されていたとしても、商品の品質もお墨付きである公営ショップなら費用対効果でトントンではないでしょうか?
さらに値段交渉のストレスも考慮すればなおさらでは?
(私は「そこまで値切る価値あるのか?」というくらいネバるタイプなので、かなり疲れます・笑)
(後日談)
ニズワとマスカットのお土産屋さんで似たような香炉の値段を聞いたところ、倍の4リヤルと言われ…
値切る元気もありませんでした…orz
旅の様子をほんの少しだけ、お土産情報に乗せてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
本来はドバイだけ(またはU.A.E.の他の首長国)を観光しようと思っていたのが、時間もある程度あったために国境越えまで画策してしまい、アラビア半島の先っぽ近くまで旅をしてしまいました。
国際都市ドバイは映画で見た近未来都市のような場所ですが、ひょんなところでアラブっぽさを見せてくれる不思議な街でした。
にわかには信じがたいですが、ドバイはつい50年くらい前までは小さな漁村だったので、脈々と受け継がれてきた文化が残るというよりは世界の最先端を上手に取り入れつつ発展してきた街であることを感じます。
何を目的に行くかで旅行日数は変わってくるとは思いますが、ほんの数日のバカンスでも楽しめる場所だと思います。
(ただし日本からのフライトは半日ちかく掛かりますが・苦笑)
一方、オマーンでは、首都マスカット、古都ニズワ、バハラ、南部のサラーラと5日間フルに移動して旅をしましたが、どこへ行ってもアラビアの空気が漂っていました。
まだまだ観光客が少ないので、アラブ世界に不慣れな場合は多少旅をするのは大変かもしれませんが、それゆえの良さを存分に楽しんできました。
機会がありましたら、みなさんにもぜひ、アラビア半島へ足を延ばしていただきたいと思います。
そしてもし、ドバイへ1週間程度の予定で旅をするならば、さらに足を延ばしてオマーンへも訪れていただきたいです。
直通の国際バスでドバイから首都のマスカットまでは5時間ほど。
マスカットはアラビア半島で一番古いスーク(市場)が残る、歴史ある美しい港町です。
この街に一泊するだけで、ずいぶんとアラブの空気を肌で感じることができると思います。
以上、クリスマス&年末年始、出張報告でした!
次回の出張報告はGWのインドネシアを予定しています。
注)
2014年2月現在、ドバイを含むU.A.E内の各首長国およびオマーン全土は治安が安定しています。
しかし北アフリカのイスラム諸国では依然、政情が安定化しておらず、いつ紛争の火種が飛び火してくるかも分りません。
渡航を検討される場合は充分、現地の治安状況を確認の上お願いします。