ブログのタイトルが TEA BREAK なので、すこし紅茶のお話でも書いてみようかな、と思いまして、パソコンの前に座ってキーボードを鳴らしております。
紅茶やコーヒーは嗜好品なので、良いものを買おうと思うと、ホント、いくらお金あっても足りないですよね…
でも嗜好品ゆえに、ある一定以上の味のもの、それすなわち、ある一定以上の値段のものを買うようにしてます(ある一定「以下」の値段であることも条件です)。
そういう茶葉は、週末にゆっくり時間をかけて丁寧に淹れて楽しんでいます。
今回、ちょっとブログに紅茶のお話を書こうと思ったのは、友人がスリランカへ旅行へ行き、その際にお願いしていた紅茶を買って来てくれました。
それがこちらの、左に写真を掲載したMlesnAの紅茶です。
私がスリランカを旅したのは2010年の暮れから2011年まで。
そのときに、「本場スリランカで極上の紅茶を買って帰りたい!」と心に誓って日本を出発しました。
実は15年以上前からコンスタントに長期旅行を繰り返しているので、現地で惚れてしまった紅茶を買って帰国したことは数えくれないくらいあります。
でも、非常に残念なことに、日本に帰って来ると急に紅茶の味が落ちているように感じるんです。
感動がまったくない味で、むしろ家で普段飲んでる紅茶のほうが、格段に美味しかったり。
その理由を自分なりに考えてみると、以下の3点が有力な「原因」ではないかと思われます。
原因1: 水が違う
良く聞く話ですよね、水質の違いは。
日本は世界でも珍しい軟水の国。
軟水で淹れた紅茶と硬水で淹れた紅茶は、当然、味が違ってきます。
原因2: 環境が違う
これも絶対にありますよね。
汗も滴るような暑さの中でお砂糖たっぷりのアツアツの紅茶をすする、となると、うだるような暑さ以上に熱い液体が喉を通る瞬間、言葉に表しようのない格別な味がします。
一方、外に出ることが苦痛に感じるような寒い土地では、やはり身体の芯から暖めてくれる紅茶は、ホッとする平安を与えてくれる本当に有り難い味がするものです。
そのときどきの環境が、やはり日本のものと海外、特にアジア・中近東エリアでは大きく異なっています。
さらに言うと、その場の雰囲気も大きいですよね。
例えば。
夕暮れどきのイランの古都。
少し涼しくなってきたので、綺麗な橋のたもとにあるチャイハネ(茶屋)に腰をおろし、チャイ(紅茶)を一杯注文する。
まずは隣の席でシーシャ(水たばこ)を楽しむ老人たちに目が行き、橋の方に視線を移すと賑やかに自転車で渡る子供たちの姿が見え…そんな姿を見るともなしに見ていると、チャイが運ばれてくる。
旅の間に覚えたイラン風の飲み方に従い、ソーサーに添えられた角砂糖をひとつ口に含んでから、熱々の紅茶をひと口。
慣れてくると、紅茶一杯を飲み終わるときにちょうど口の中の角砂糖も消えてなくなる。
茶屋で働く少年に「もう一杯」とグラスをあげて合図し、チャイが運ばれてくるまでのあいだ、バッグに入っている読みかけの本の続きを読む…
そんなひとときに味わった一杯は、やはりどうしても理由なく美味しいものだし、それを日本の日常で味わおうとすることは「間違っている」とまでは言わないでも、相当むずかしい注文ですよね。
原因3: 値段
現地の市場に出向いて店の人に勧められる紅茶を買うことがほとんどでしたが、市民のための市場なので高級な紅茶を扱っていないことがほとんどです。
さらに、普段私たちが日本で飲んでいる紅茶のほとんどは、現地の市場ではあまり出回らない(というか高くて現地では売れない)【輸出用】というものだそうです。
なので、そのような高級な紅茶だけがゴロゴロしている日本で現地の市場で買った紅茶を飲めば、味の違いは一目瞭然。
「あれ?イランで飲んだ紅茶はこんなにまずかったっけ?」
となるわけです。
という原因をもっともらしく分析したところで、今回の課題を立てます。
課題なんて、大げさな話ではありません。
シンプルに、実践すべきことはひとつしかありません。
輸出用の茶葉を買う!
これをスリランカで初めて実行してみました。
そのときに購入対象として狙ったのが、こちらのMlesnA社の紅茶だったわけです。
コロンボの国際空港やコロンボ・ヒルトンにも出店している格式高い紅茶屋さんで、おもに輸出用の茶葉を加工し各国へと送りだしています。
なので品質はピカイチ。
そのぶん値段も張りますが、地元の紅茶屋さんでも
「MlesnAの紅茶は最高だよ!そこのヒルトンに支店があるから行ってみなさい」
と勧められるほど。
同業者なのに、もう張りあう気も起きないくらいMlesnAは孤高の存在なのかもしれません。
こちらは、私が名前をつけるのなら「産地イロイロお試しパック」といったところでしょうか。
スリランカが誇る産地のお茶が50gずつパックされてセットになっています。
UVA(ウヴァ)はご存知の方が多いかと思います。
DIMBULA(ディンブラ)はあまり馴染みがありませんが、日本の紅茶専門店ならほとんど置いてある銘柄です。
そしてNUWARA ELIYA(ヌワラエリヤ)は最近、紅茶ファンの間で人気急上昇ですよね。
置いているお店はまだ少ないですが、徐々に取り扱う店舗も増えているようです。
この3点なら、日本の実店舗で問題なく購入することができそうですが、残りの2点のRUHUNU(ルフヌ)、MATALE(マータレ)、KANDY(キャンディ)は、日本では見たことも聞いたことないものでした。
どんな味なのかドキドキしながら味わってみると…本当に美味しい紅茶で驚きました!
スリランカから帰国したあと友達数名と紅茶の品評会らしきものを開催したのですが、ルフヌもマータレもキャンディも初めての味わいだったからか大好評!!
日本で既に紹介されているウヴァやヌワラエリヤ、ディンブラよりも、圧倒的な美味しさに感じました。
「いつかふたたびスリランカに行って買ってこよう…!」
と心に誓っていたのですが、2012年の夏に旅友のトモちゃんがスリランカに行く!というので、図々しく買い付けをお願いしたのです。
さっそく淹れて、ユトレヒトにある有名なお菓子屋さんTheo Blomのクッキーとともに【TEA BREAK】!
ひゃーっ!
おいしいっ!!
Theo Blomの素朴なバタークッキーに良く合います!
と、月並みなコメントで大変申し訳ないのですが、これしか言えません!
ものすごく幸せなひとときです!
ちなみに、2012年9月末に届いた某有名紅茶専門店の月刊誌によると、9月から新商品としてスリランカの産地茶葉を扱うようになったみたいです。
50gで600円程度で売られているようなので、気になる人はお試しでこちらから購入してみるのもいいかもしれませんね。
いきなりスリランカに買い付けに行く、ってわけにはいかないでしょうから…