イタリアのコーヒーの原点とも言えるマニアの注目度No.1のナポレターナ(Napoletana)をご紹介します。
カフェ・ナポレターナとは、イタリアのナポリ地方に古くから伝わるドリップ式コーヒーメーカーの総称です。直火式のエスプレッソメーカーである「マキネッタ」がビアレッティ社によって広められるまでは、イタリアのコーヒーといえばナポレターナが主流でした。
しかし時代の流れは、よりスピーディーに淹れられ、より苦みの強いコーヒーを好むイタリア人の趣向に合うマキネッタへとシフトしていきますが、ナポレターナの根強い人気はすたれることはありませんでした。
時間のある週末にはナポレターナでコーヒータイムを過ごすイタリア人は現在でも多く、苦みや時間の短縮だけを追求するのではなく、コーヒー本来のうまみを味わいたい舌の肥えたイタリア人たちの間で絶大な支持を集めています。
ナポレターナでコーヒーが美味しく淹れられるポイントは、独自の構造による【蒸らし】です。
下のポットでお湯を沸かし、その際に出る蒸気で上部にあるコーヒー粉を蒸らします。
水が完全に沸騰したら、クルッとナポレターナを180度回転させます。
すると沸騰したお湯が蒸らされたコーヒー粉が入ったフィルターを通過して、サーバーに溜まります。
豆がもつ本来の味が蒸らし効果によって、コーヒーに溶け込み、雑味の少ないまろやかで飲みやすい一杯に仕上がります。